blog開設のモチベーション
国際リニアコライダー(ILC)は科学研究のためのプロジェクトながら、科学者にあって聞いてもプロジェクトの価値に対する意見は千差万別である。科学的観点からこのプロジェクトをながめ、どんなプロジェクト化をなるべく理性的に見てみたい、という気持ちになった。
そこで、個人的な調べ物の記録としてこのブログを開設しようとおもいました。
今時点では、下記の疑問があります。
- ILCからトリチウムが出るって話がありますが、これは大丈夫なのでしょうか。福島原発でトリチウムが出て、ILCでもトリチウム。東北はトリチウムだらけだ、なんてことにならないか心配です。みなさん、トリチウムは少なくて安全だとか、閉じ込めるので安全だ、とかいう話を聞きますが、原発も安全だって言っていましたから心配です。原発村と素粒子村は別の村と思いますが、素粒子村も結構事故起こしてますよね。
- 30キロの加速器は使い終わったら放射能だらけになって、核廃棄物みたいになるって話を聞きます。トンネルの中に置きっぱなしにするのか心配です。ILCよりは小型のトリスタンという加速器がつくばにありますが、放射能を出す加速器部は置きっぱなしって聞きます。そうすると使い終わったトンネルは、核廃棄物の貯蔵庫になるのでしょうか。福島の原発以外に核廃棄物を新たに作って、さらに夢のある研究の話が核廃棄物貯蔵施設にいつの間にか話がすり替わっている。そんな話にならないでしょうか。
- 国際的な研究拠点ができる、って言いますが本当に可能なんでしょうか?比較に出されるのはCERNがあるジュネーブです。ジュネーブには外交官やらなんやら第2次世界大戦前の昔から世界中のエリートが集まる街で、そういった人が暮らすための社会インフラが整っていました。例えばインターナショナルスクール、現地校での外国人受け入れ態勢などの子育て環境、クラシック好きにはオーケストラ、バレエ好きにはバレエ公演、家族でも暮らしていいな、っと思える場所なのです。それからスイスは物価(給料)が高い。南欧等の人から見ても高給が得られる職場なのです。ILCは出身国の給料が基準になるという話で給料面での魅力はCERNに遠く及ばないでしょう。そうすると、欧米の一部の研究者が高給で偉いポジションで働いていて、日本人はその2/3から半分ぐらいの給料(大げさかもしれませんが、実際アメリカと日本の研究者の待遇はだいぶ差があります。)で現場で大量にこき使われる、なんてことにはならないでしょうか。みなさん、アルゼンチンやブラジルといった国の聞いたことのない都市でILCができるって聞いて、家族連れて喜んで住みます?日本のILCプロジェクトって、そのぐらいの感覚で欧米から見えているのではないかと思っているんですけど。