文部科学省!

国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議 ILC計画の見直しを受けたこれまでの議論のまとめ:文部科学省

こんなのがありました。

詳しく、かつ僕でも読もうと思うレベルでわかりやすく書いてある!

 

河北新報から

<ILC>自民軸に連絡協来月設立を報告 超党派議連総会 | 河北新報オンラインニュース

河村建夫議連会長(同)は「ILCを前に出した予算が盛り込まれれば日本政府の意思表示になる」との見通しを示した。

だそう。

来年度の予算編成で決まる、と読める。さぁ、どうなるか。

 

さてさて文部科学省のまとめをさらっと読みました。気になったのは、科学的意義のところ。

(1)科学的意義
○ 2017 年末までのLHC の実験結果としては、ヒッグス粒子の発見以降様々な成果はあるものの、標準理論を超える新粒子(強い相互作用をする超対称性粒子の可能性がある粒子)や新現象(暗黒物質余剰次元)の兆候は捉えられていない。さらに、LHC において13TeV によるⅡ期計画が続く2018 年末までに新粒子や新現象が観測される可能性は低いことが判明している。
○ その結果を踏まえて、国際的な研究者組織が、ヒッグス粒子の精密測定の重要性から、ILCは当初計画の500GeV から衝突エネルギーを下げて250GeV でヒッグスファクトリーとして運転を行うように見直したことを受けて、有識者会議では250GeV ILC の科学的意義について検証した。
○ 250GeV ILC による実験が最も優位性を有するのは、ヒッグス粒子と他の素粒子の結合定数の精密測定であり、これにより標準理論からのズレに素粒子ごとのパターンが見い出されれば、今後の素粒子物理学が進む方向性に示唆を与える可能性がある。例えば、暗黒物質の正体やヒッグス粒子が真の素粒子かどうかなど、現在の標準理論では説明が困難な課題に対し、解明の端緒を与える可能性がある。
○ 衝突エネルギー250GeV ではヒッグス粒子の生成断面積が最大化されることに加え、LHC で新粒子の兆候が観測されず、250GeV ILC のヒッグス粒子の精密測定に有効場理論が利用できることが明らかになったことから、ヒッグス粒子の精密測定の実現可能性がより明確になった。
○ 一方、500GeV から250GeV へと衝突エネルギーを下げたことにより、トップクォークの精密測定については、衝突エネルギー350GeV が必要であることから、250GeV ILC では実験ができなくなった。

○ また、新粒子の探索については、2017 年末までのLHC の実験結果で新粒子が発見されなかったことから、LHC では探索が困難なためILC で直接測定することが期待されていた新粒子(強い相互作用をしない超対称性粒子)がILC で発見される可能性は低くなった。
○ なお、大きな質量欠損を伴う現象の観測等の間接的な方法※による暗黒物質余剰次元等の探索については、250GeV ILC においてもその意義は余り下がらない。
ヒッグス粒子のインビジブル崩壊や一光子現象、標準理論粒子の対生成における輻射補正等の測定

 

ここを読む限り、いまいちピンとこない。宇宙のいろんな謎がある中で、ヒッグス粒子の「精密測定」から「今後の素粒子物理学が進む方向性に示唆を与える可能性がある。」という話らしいけど。

「示唆」ですか。何か決定的な情報が得られるわけではないのか…なんか、わくわくしません。

重力波を検出しノーベル賞を受賞したLIGOwikipediaを見ると総額6億2000万ドルをかけた施設とあります。今のレートで687億円。LIGOぐらい夢があって、予算もILCの1/10ぐらいのテーマを探した方が良いのでは、などと思うのは素人すぎでしょうか。それとも貧乏性?でもILCつくるってことはLIGOぐらい野心的なプロジェクト10個ぐらいをあきらめてILC作るってことですからね。しかも、素粒子物理学の進む方向性に「示唆」を与える可能性があるって、魅力なさそーな感じです。